SAABサーブのあゆみ

SAAB(サーブ)のあゆみ

2015年から始まったSEISA Africa Asia Bridge(以下SAAB)は2024年で第10回目を迎えます。
星槎グループ創設者である宮澤保夫名誉会長の「これからのこどもたちの未来のために、アフリカとアジアに“橋=Bridge”をかけなければならない」という想いからSAABは誕生しました。

今やアフリカは、多くの天然資源を有し、またICT開発の拠点として、多くの人々が注目する世界の中心ともいえる大陸へと変化しています。この変化に対して、10年先、20年先の世界のあり方を考える上で、とても大切な時間にさしかかっています。SAABは、こどもたちがアフリカの国々について「知る」「繋がる」という目標の実現を目指し、多くの国の方々と共に、アフリカのもつ多様性の素晴らしさ、可能性について語り合い、共感し合うイベントです。

近年、ICTの活用により、多くの国の方々と共に、多様性の素晴らしさ、その可能性について深く考え、語り合う機会にもなっています。私たち日本人が海外の人々とどのように関わり合い、繋がることができるのか。また、さまざまな国々が抱える多くの問題に対して、どのように行動することができるのかを探る機会にもしていきたいと考えています。星槎の考える本当に大切な学びは、「それぞれの違いを認め、排除せずに仲間になること。そして、共に行動すること」に他なりません。この機会での経験が、次の世代を担う日本と海外の若者たち自身が考え、行動する種になることを願っています。

「こどもたちが未来を自分で考えるためにSAABをやるんだ!種まきなんだよ!」
私たちは宮澤保夫名誉会長の想いを受け継ぎ、未来のこどもたちへの「種まき」を行っていきます。

2015年 第1回 SEISA Africa Asia Bridge に寄せたメッセージ

アフリカ。この言葉は誰もが知っています。しかし、私たちはアフリカのことを実際にどれだけ理解しているのでしょうか。単にアフリカといえばライオン、キリン、ゾウなどのイメージで思い描くことが多いのではないでしょうか。今は日本人から見ればアフリカは物理的にも、精神的にも遠く、私たちの日常からは確かに離れているように思われます。一方、大陸としてのアフリカは地球上の陸地全体の20%以上を占めています。また、人類発祥の地とも呼ばれています。さらに全土で話されている言葉の種類は3,000を超えるといわれています。これから10年、20年、30年の先を見れば、天然資源に乏しい日本にとってこの大陸は重要です。天然資源等の分野において日本を安定させうる唯一の国々といっても過言ではありません。日本の未来を担うこどもたちが、アフリカの国々について多くのことを学び、お互いを知り、交流を持つことがとても大切だと私たちは考えます。
距離的にアフリカが遠いのは確かですが、近い将来には日本からアフリカまで数時間で行ける時代がやってくるかもしれません。例えば、東京から京都までの移動時間が江戸、明治、昭和、そして現在においてどのように変化してきたのかを考えれば、アフリカまで1〜2時間で行くこともあながち夢物語ではないといえます。その距離が確実に縮まっていく中で、心の距離も近い日本であることが必要です。アジアの中でもアフリカを良く知っているのは私たちであり、アフリカと関わり、仲良くし、平和作り、国作りに関わっていく仲間としての日本人という、私たちのあり方が重要な意味を持ってくると考えます。
距離の遠さよりも心の近さを持つ若者たちが、日本においてもアフリカにおいてもより多く育っていってくれるためにも、皆様のご理解ご協力をいただければ幸甚です。何卒よろしくお願い申し上げます。

宮澤 保夫

テーマ「“知繋(ちけい)”=知ること、繋がること」を掲げ、アフリカ・アジアの各国とより深く繋がることやSDGsの具現化に向けて第9回目となるSEISA Africa Asia Bridge 2023を開催いたしました。天候にも恵まれ対面開催とオンライン開催での6チャンネル配信で運営いたしました。アフリカ・アジアの国々を対象に、ご協力いただいた大使館が20ヵ国、日本、UNDP(国連開発計画)、ウクライナオデーサ市を合わせると31ヵ国以上、対面参加7,463名の皆さまと共に、学びと関わり合いの輪を広げることができました。オープニングセレモニーでは国連開発計画(UNDP)アフリカ局TICADユニットTICAD連携専門官 近藤千華様、外務省副大臣辻清人様、エリトリア国特命全権大使エスティファノスアフォワキ ハイレ閣下、衆議院議員古川直季様からメッセージをいただきました。
第10回記念大会に向け、アフリカ・アジアとの懸け橋になること・SDGs17の目標の1番目の目標「貧困をなくそう」2番目の目標「飢餓をゼロに」に関して一層力を入れ取り組んでいき、日本を代表するESD(持続可能な開発のための教育)実践校を目指し、日本を越えて世界との学びの機会を広げていきます。
最後に星槎グループ創設者宮澤保夫名誉会長が「Bridge=懸け橋」と名づけたこのイベントがアフリカ、アジアだけではなく世界の平和を望む方々との懸け橋になっていることを実感し、本イベントに関わった全ての人たちと共に平和の懸け橋を作ることができると改めて確信いたしました。今後も私たちが大切にしている「共生」の理念を様々な形で表現していきたいと考えております。

sTED(Seisa Transnational Education Design:通称sTED)

全国の星槎の中高生、近隣の小中高生が一堂に会し、アフリカやアジアとの繋がりや国連のSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)をテーマに、10年先、20年先、50年先の未来について考え、プレゼンテーションする、sTEDを開催。1年間の研究の成果をもとに生徒たちが熱いプレゼンテーションを繰り広げます。

「星槎全国生徒会・同窓会」とSAAB

星槎全国生徒会・同窓会では、共生社会の実現を目指し、SDGsを具現化するための活動を行っています。例えば、「卒業してもSDGsを考え続けたい」と語った卒業生(元 星槎全国生徒会役員、現 星槎全国同窓会役員)の発案で、全国一斉の清掃活動「SEISA CLEAN UP ACTION」を実施。SAAB当日は日本全国、そして海外に住む生徒会メンバーがオンラインで繋がり、清掃活動の進捗と地域・国ならではの生活事情が報告、議論されました。SAABや全国生徒会活動をきっかけに、SDGsにまつわる活動・行動を一生のライフワークにする、そんな強い信念をもつ生徒、卒業生がいることは、大きな成果であると捉えています。

「SEISA Africa Asia Bridge」が、
2021年ユネスコ/日本ESD賞 国内推薦事業に選定されました!

本賞は、第40回ユネスコ総会で採択され、2019年の国連総会で承認された「持続可能な開発のための教育:SDGs実現に向けて(ESD for 2030)」の枠組みの中で、ESD活動に取り組んでいる機関又は団体が実施するESDに関する優れた事業を表彰するものです。2021年は、日本国の推薦事業として、文部科学省から「SEISA Africa Asia Bridge」が選定されました。ESDとは、学習者が環境の保護、経済的な持続性、すべてのジェンダーにとって公正な社会、そして現在と将来の世代のために、文化的な多様性を尊重しつつ、責任ある行動がとれるよう、必要な知識、能力、価値観、態度を身に付けられるようにするための教育のことです。これは、全てのSDGs実現の鍵となる役割を果たすものです。

来場者数

来場者数

※2015年度は1日のみ開催

参加者数

参加者数

2023 参加大使館
会場来校・ビデオメッセージ含む(順不同)

エリトリア国 / コートジボワール共和国 / コンゴ共和国 / ボツワナ共和国 / チュニジア共和国 / ウガンダ共和国 / ガーナ共和国 / ギニア共和国 / ザンビア共和国 / タンザニア連合共和国 / ベナン共和国 / マダガスカル共和国 / マラウイ共和国 / マリ共和国 / 南アフリカ共和国 / モロッコ王国 / レソト王国 / インド共和国 / ブルキナファソ


2023 参加国・地域
参加された方の国籍(来場およびオンライン参加)(順不同)

アメリカ合衆国 / ニュージーランド / ブータン王国 / 中華人民共和国 / バングラデシュ人民共和国 / 日本 / 大韓民国 / タイ王国 / ロシア連邦 / フィリピン共和国 / ウクライナ / セネガル共和国


特別協力

国連開発計画(UNDP) 横浜市国際局日本アフリカ友好横浜市会議員連盟 独立行政法人国際協力機構(JICA) 株式会社崎陽軒 NPO法人CLOUDY


後 援

外務省 文部科学省 神奈川県 小田原市 箱根町 大磯町 神奈川県教育委員会 横浜市国際局 横浜市教育委員会 小田原市教育委員会 箱根町教育委員会 大磯町教育委員会 独立行政法人国際協力機構横浜センター ヨコハマSDGsデザインセンター 公益財団法人世界こども財団 一般社団法人星槎グループ


主 催

SEISA Africa Asia Bridge 実行委員会


共 催

学校法人国際学園 学校法人星槎


協 力

学校法人 星槎こども園 KIDS planet 社会福祉法人 星槎 星槎学園

SAAB 一斉授業

全国にある星槎の校舎をオンラインで繋ぎ、SAABに向けて共に学び、知って繋がるための「SAAB一斉授業」を行っています。各校舎で「アフリカ」「アジア」などに関わるテーマ(歴史、衣食住、文化、風土、気候、宗教、地理、産業等)について調べ学習し、SAAB当日はステージ上やオンデマンド放送等でプレゼンテーション発表を行います。
今まで遠くに感じていたアフリカ・アジアの国々を仲間たちの発表を聞いて学び、自分たちでも調べ・知り・学習することで今まで以上に身近に感じることができます。

国内最大規模の国際会議 TICADⅦ(第7回アフリカ開発会議)に参加しました

2019年8月29日、神奈川近郊の中高代表生徒44名が、日本国内における最大規模の国際会議 TICADⅦ(第7回アフリカ開発会議)に参加しました。
神奈川県とUNDP(国連開発計画)のサイドイベント「SDGs達成へマルチセクターパートナーシップの推進」では、アヒム・シュタイナー UNDP総裁、黒岩祐治 神奈川県知事、ロイ・マリーク・ロウェ ガンビア共和国バンジュール市長のオープニングセッションに始まり、日本とアフリカ各国の起業家によるパネルディスカッション「SDGs達成に向けたイノベーションの実践」まで、ステージ正面の一等席で参加することができました。国際会議ならではの同時通訳のイヤホンの使用にドキドキしながらも、真剣に聴き入る生徒たちの姿勢に、SAABで学び続けてきた成果を見ることができました。

第9回 ニューヨーク海外研修における国際連合訪問

2024年10月18日ニューヨーク海外研修で50名の生徒が国際連合アフリカ担当事務総長特別顧問室(OSAA)を訪問しました。国際連合日本政府代表部経済参事官のご出席のもと約1時間40分のミーティングで、私たちはSAABの活動報告と今後の展望、そしてSDGsの実現に向けた取り組みを発表しました。
SDGsの実践報告として、豆腐の絞り粕で作った高たんぱくのOKARAクッキーをアフリカの飢餓と貧困に苦しむ人々に送るというプロジェクトを発表しました。このクッキーはSAABで販売し、さらにアフリカへの支援に繋げることを目指します。
私たちは、この貴重な経験を通じて、グロバール社会における国際平和維持の観点から国際交流の重要性を再認識し、今後、積極的に学生間交流を進めなければならないことを学びました。

SAABの歴史

第1回

2015.11.15(Sun) 満を持して開催された第1回SAAB。1年間かけて、年間指導計画にアフリカに関する学びを取り入れ、子どもたちだけではなく、教員である大人も一緒にアフリカを学びながら、当日を迎えました。

第2回

2016.11.12(Sat) 11.13(Sun) 第2回SAABからは、「知って繋がる」ことを示す「知繋(ちけい)」という言葉が創設者宮澤保夫によって唱えられ、テーマとして据えられました。またこの回からは、2日間の開催となりました。

第3回

2017.11.11(Sat) 11.12(Sun) 第3回SAABには、当時過去最高の7,247名が来場。国連が掲げる「SDGs」についての全国の生徒による会議や、オリンピアン・パラリンピアントークショーなど、新しい学びが取り入れられました。

第4回

2018.11.10(Sat) 11.11(Sun) 第4回SAABには、当時過去最高の36カ国が参加。フィナーレのステージ会場では、1,000名以上が一斉に未来に向けて夢や願いを書いた紙飛行機を飛ばすなど、心に残るシーンが多くありました。

第5回

2019.11.9(Sat) 11.10(Sun) 第5回SAABでは、開催を翌年に控えた*東京2020大会を見据え、エリトリア、ブータン、ミャンマーからの留学生も中心となり、スポーツを通じた共生社会の実現を考えました。
*実際は2021年開催

第6回

2020.11.14(Sat) 第6回SAABは、未曾有のウイルス禍に世界中が混乱する中、物理的に繋がることがよしとされない情勢だからこそ、知って繋がることを諦めないために、工夫を凝らしながらオンラインにて開催されました。

第7回

2021.11.13(Sat) 前年に続き、第7回もオンラインとリアルを上手に融合させながら開催。30,000人以上の参加がありました。ハイブリッド開催だからできる、距離を感じない世界観の中での開催となりました。

第8回

2022.11.12(Sat) 第8回SAABでは、SAABのリアルな熱気と意義をさらに広げるべく、これまでの横浜会場に加えて、札幌会場を初開催。ポスターデザインも星槎道都大学美術学部とのコラボにて制作されました。

第9回

2023.11.11(Sat) コロナ禍からようやく日常が戻りつつある中で開催された第9回SAAB。未曾有の経験をした私たちだからこそ、「ネットもいいけど、やっぱりリアル」を、改めて実感することができる一日となりました。

第10回

2024.11.9(Sat) さまざまな困難がありながらも、10回目を迎えることができたのは、関わるすべての皆さまのおかげに他なりません。これからも、一人ひとりがもつ「共生の心」を結集して、歴史を積み上げていきます。